2008年10月12日日曜日

脳と創造性 茂木健一郎(著)

読書の秋!
みなさんも色々な本を読んでいるのではないかと思います。

今回は久しぶりに脳科学からの自分探しをしてみようと購入した本を紹介します。



★どんな本?
クリエイティブな発想やひらめきはどのようにして生まれるのかを脳科学の観点から考えた本です。
また、世界・他者・自分がイメージする自分と、実際の自分とのずれの中から本来の自分を探すことや新しい自分を作り出すことについても述べられています。
自己啓発本を読む機会が多い人にとっては新しい自分探しの切り口が見つかると思います!
科学的な用語が出てくるので、足踏みをしてしまう箇所が少しありました。
しかし、全体を通して大切なことが繰り返し述べられているので、この本を通して茂木さんが伝えたいことは理解できると思います。
"脳を活かす勉強法 茂木健一郎(著)"をまだ読んでない方はそちらを先に読むと、この本が読みやすくなると思います!

★ぐっと来た言葉と私の一言
「自ら動く」という生命の本質こそが、人間の脳の創造性に繋がっているのである。
→十分な情報が与えられない状況で判断を下すこと(無から有の創造)はもっとも大切な感情の働きの一つだそうです。自分自身の感情をコントロールする、理解することが人として生きていく上でとても大切であることが分かります。

「自分探し」が同時に「他者探し」でなければならない所以である。
→脳には相手の行為を見て、自分がその行為をしていることを想像し、相手がどのような気持ちでその行為を行うのかを考える神経細胞があるようです。コミュニケーションはキャッチボールに例えられることがありますが、本来は自分と他者とのもっと深い繋がりを意味していると思います。

他人にどう思われようと自分は自分でしかないのと同じように、自らが置かれた文脈の切実さから生み出されたものは、たとえそれがマーケットを制覇することがなかったとしても、愛おしいことには変わりがない。
→学校・会社・その他の様々なコミュニティーごとに人は、その場に適した自分を作り出します。その自分が例え必要とされなくても、その創造性が素晴らしいことであることを理解するとこが大切である、と言いたいのだと思います。

何かを表現するということは、実は、自分自身とのコミュニケーションでもある。運動出力をする「私」と、感覚入力を受ける「私」は、異なる「私」なのである。
→人は自分自身の行為をきちんとフィードバックできる仕組みになっていることがわかります。想像している自分の姿と実際の姿にずれがあるからこそ、工夫をこらし、新しい自分を創造できるのですね。

危機(emergency)と創発(emergence)の語源が同じであるということには、深い意味がある。この世界に成功を保証されている人間は一人もいない。
→ピンチは創造のチャンスだと思います。将来に絶対がなからこそ、そこに創造のチャンスが眠っているんですね。

人生の全ての出来事は、一瞬一瞬がかけがいのない一回性の出来事である。しかし現実的には、日常の中で出会う様々な出来事は、私たちの意識の中で無限の重要さの階調を持つ。
→今までの人生での大切にしている思いでは、他のものと比較してインパクトが強かったために大切に思えています。それ以外の出来事が意味のないものでなかったことに気づきました。

★コメント
この本で茂木さんは、もっと"ずれ"を愉しもう!と言いたかったのではないかと考えます。
同じように流れる毎日の中にも、きっと昨日と今日では違う何かがある。
その差にもっと刺激的な明日を作るヒントがあるのではないかと思います。
また、何事にも食わず嫌いな姿勢が大切なことも学べました。

自分探しという観点からは、"ゲシュタルト崩壊"の話が新しい学びになりました。
脳の神経細胞は、同じ活動モードを続けていくと、いつの間にかその軌道から逸脱する傾向を持っているそうです。
例えば、"あ"という文字をじっと見つめていると、訳のわからないものに見えてくることです。
新しい自分を探したいと思ったら、まず自分自身を良く観察して自分をゲシュタルト崩壊させることも大切なのかなと思いました。

上手くこの本のよさ伝えたい「私」と表現できていない「私」の"ずれ"を愉しみつつ、今回の書評を〆させていただきます;

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